電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマとは?

無電極・高真空(0.01Pa台)・低エネルギ(20eV程度)・大電流(10mA/cm2)プラズマ

図1 図2

・磁場の回りを円運動する電子の周波数と、外部から投入する電磁波の周波数を一致させると、共鳴により電子は高速に回転運動をします。電子が気体分子に衝突して高密度のプラズマを生成します。(図1)

・プラズマ生成部から加工する試料の方向に発散する磁場構成とすることで、発散方向にドリフトする電子の運動を減速し、イオンを加速する電場が形成され、プラズマ流として大量の低エネルギイオンを試料に輸送します。(図2)

参考文献:
(1) S. Matsuo and M. Kiuchi, Jpn. J. Appl. Phys. 22, L210 (1983)
(2) T.Ono, H. Nishimura, M. Shimada, S. Mastuo, J. Vac. Sci. Technol. A12, 1281 (1994)


ECRプラズマでなにができるの?

室温基板上に、高温成膜と同等以上の究極の薄膜加工ができます。

図3 図4 図5

・室温で成膜したSiO2膜は1000℃級の高温成膜に匹敵する絶縁特性を有しています。
  種々の酸化物、窒化物高誘電体の形成が室温で可能です。(図3)


・室温成膜のSiO2膜は広範な波長域で無損失の光学特性を有しています。 プラスティック基板など低融点基板にも成膜可能です。(図4)


・大量の低エネルギイオンを高真空環境で利用できるので 金属膜のnmオーダの加工に利用できます。(図5)

参考文献:
(1) T. Amazawa, T. Ono, M. Shimada, and S. Matsuo, J. Vac. Sci. Technol. B17, 2222 (1999)
(2) T. Tsuchizawa, C. Takahashi, M. Shimada, S. Uchiyama, T. Ono and M. Oda, Microelec. Engineering, 53, 595 (2000)


ECRプラズマのアプリケーション


図6 図7

・光通信用のファブリペロ型DWDMフィルタへの応用。1.5μm帯を無損失で500波分岐します。
 化合物半導体、プラスティックへの光学薄膜形成が可能です。(図6)


・先端半導体高速デバイス用の高誘電体ゲート膜への応用。Interlayerのないクリアな界面を有するnm級ゲート膜を実現します。
 Si-TFT、RF-MIMへ適用可能です。 (図7)


参考文献:
(1) Y. Jin, M. Shimada, and T. Ono, J. Vac. Sci. Technol.A22, 2431 (2004)
(2) 斎藤、神、小野、Semiconductor FPD World, 10月号, 57 (2001)





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弘前大学 理工学部 知能機械システム工学科
知能制御工学講座